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企業価値担保権_技術力や成長性評価による新たな資金調達手段
来春からスタート予定の「企業価値担保権」は、中小企業者の新たな資金調達手法になり得るのか、その期待が高まりつつあるところかと思います。
企業価値担保権とは、従来の不動産担保や代表者保証等とは異なり、事業実態や将来性を評価し、その価値を担保に融資を実行する金融機関による新しい融資手法です。
技術力や顧客基盤に加え、将来キャッシュ・フローも考慮して事業全体の評価を行うため、スタートアップ企業だけでなく事業再生にも活用が期待されます。
企業価値担保権は登記事由になるため、法人の登記簿に本権が設定されていることが公表されます。従来の考えでいくと「金融機関に担保設定されている会社?」に対して「この会社は大丈夫なのか?」と思われがちだと思いますが、この点については中小企業者としては大きなメリットがあると我々は考えています。
その理由としては、おそらく本制度の適用を受けることができる企業は相当限られており、ハードルが高いことが予想できるからです。事業性評価については特に中小企業者はその評価基準の曖昧さや自社の強みを可視化することが難しい場合が多く、金融機関側としても高く評価することが困難な場合があると思います。
この点から、中小企業者(中でも零細企業者)で企業価値担保権を活用できる企業は、結果として相当信用の高い企業であると金融機関からもお墨付きをもらうことに他なりません。
またこの企業価値担保権は単独行の設定だけではなく、複数行による取組みも可能としており、制度の広がりが期待されます。
しかし、企業価値評価という漠然とした価値を客観的に評価し、これを適正に可視化して評価することを金融機関単独に任せることは困難であると金融庁も予想しているようで、認定事業性融資推進支援機関という支援者を設定する予定だそうです。
認定事業性融資推進支援機関は、金融機関及び中小企業者に対して経営資源や財務内容の分析を行い、その実態把握方法に関する助言や事業計画策定支援及びフォローアップ支援を実施することを要求されており、おそらく現状の認定支援機関がその支援を実施する可能性が高いと思われます。
税理士法人マウナブルーは、認定支援機関としてこれまで事業再生や補助金に対する支援提案等を実施する中で、事業性評価の支援も積極的に取り組んでいます。税理士は中小企業(特に零細企業)の事業性評価について、最も支援実績があるため、我々も本制度に対する支援体制を整えて参ります。
近い将来、企業価値担保権の設定が信用力の証になる日が来るかもしれません。